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COLNAGO Master X-LIGHT 購入

20XX年年始・・・ついに、恐怖の物欲の大王が降臨。
「少し覗いてみるだけ」と行ってみた北千住にある自転車屋さんFITTEで、フラフラとロードバイクを眺めているうちに物欲が爆発。ウェブでカタログを見てからずぅ~~~~っと気になってたコルナゴのMaster X-LIGHTというロードバイクを注文してしまった。

まぁ、中途半端にお金持ってても仕方ないし、たまにはパ~ッと使わないとね。とはいえ、自宅のオーディオセットやノートPC、さらにはプロジェクターを越える高額商品をノリで購入してしまった自分の物欲の恐ろしさ・・・というよりも、ロードバイクという魔物の持つ底知れない魅力にただただ驚かされる。
恐らく、登山関係の装備に費やしたお金の総額にも勝っているだろう。他にも色々と物いりになることを考えると、恐ろしい世界に足を踏み入れてしまったものだと後悔と期待が入り交じった複雑な心境である。

FITTEはスポーツバイクしか置いていないマニアックながらもフレンドリーなお店で、「長距離を楽に走りたい」「レースは(多分)出ません」「普段着でも乗れそうなやつ」「所有欲を満たすやつ」というリクエストに応じて、色々と相談に乗ってくれた。お店の人からしたらどうしようもないような質問ばかりして、困らせてしまった気がする。とはいえ、耳学問ならぬインターネット学問で仕入れた生半可な知識よりも、実物がそこにある環境で専門の人に直接聞いて得る知識の方が100倍価値があるな、と改めて感じた。
最後まで悩んだ「クロモリフレームの現代性」という問題は、「所詮遊びだし」という割り切りと、あまりにも素敵な細いフレームの魅力によってクリアー。あのか細いフレームがとんでもないスピードで走っていくのがロードバイクの魅力のうちのひとつだと思うのだよね。

なんでも、この店に置いている Master X-LIGHT は、特別に発注をかけて昔のモデルと同じのカラーリングにしてもらったものなのだそうだ(97年のArt Deco Colour)。カタログに載っているのは(比較的)現代風かつシンプルな洗練された塗装で、店頭に置いてあるのはなんともイタリアらしさが滲み出た味のある塗装だ。日本に30本もないというフレームとのことなので、色やサイズの組み合わせを考えると日本に1本か2本という稀少品。これにこんなド素人が乗るなんて、全くもってもったいない話である。

フレームのサイズは52cm。身長と股下を計ってもらい、ダミーの自転車を実物と同じフレームサイズに調整して試乗(?)させてくれたりした。恐怖の前傾姿勢(特にハンドルの下を握った時)はなかなか大変。こりゃぁ、自然と背筋が強くなりそう。
納車には3週間程度かかるとのことなので、家の中に置き場所を確保したりしながら、楽しく暮らそうと思う。

***

お店の人と話していて、いくつか抱いていた疑問が氷解したので、興味を持ったメーカーのインプレッションと一緒にメモを残しておこう。

- クロモリのディスアドバンテージについて
よく言われるクロモリのディスアドバンテージに「重いから云々」というのがあるが、一番のディスアドバンテージはレースでの駆け引きで猛烈な瞬発力を必要とする場合に、すぐにフレームが反応しないので置いていかれてしまう、ということなのだそうだ。本格的にレースをやるのならまだしも、長距離を楽しく走るのであればクロモリを嫌う理由はどこにもない。
ましてや、デザインといい佇まいといい、アルミやカーボンなどの素材では絶対に真似できない雰囲気に惹かれているのだから、尚更のことである。

- ビンディングについて
ロード用のビンディングシューズは歩きにくい。歩くとビンディングにひっかけるクリートと呼ばれるパーツが摩耗するのでオススメできない。軽く流す程度であれば、普通の靴でも乗れないことはない。MTB用であれば、ペダルの裏表でビンディングとフラットに別れているものがあるが、あまりおすすめではない。

- カンパとシマノについて
カンパのレコードは別次元。大まかに見て、それ以下のグレードがそれぞれのメーカーで対応している。通常姿勢で握るブレーキバーのブラケット部分の握り易さは、断然カンパのほうがよい。カンパのギアシフトのフィーリングは、少し遊びがある感じ。効果対費用という意味では国産のシマノ(ユーロ高だし)に軍配が上がる。

- フレームの規格について
自転車のフレームに部品を取り付ける規格が変わったりして、将来的にそのフレームに新しい部品がつかなくなったり・・・という心配はそんなにしなくてよいらしい。既にたくさんの現行仕様のフレームが世に出回っている以上、互換性を断ち切ってまでエンド幅と呼ばれるホイールを取り付ける部分の幅をこれ以上広げる可能性は低いのだそうだ(メリットも薄い)。

- CINELLI について
「他のメーカーが持っていない雰囲気を持ったイタリアのメーカー」だそうだ。日本に入ってくる量が少ないので、フレームからしか組めないらしい。割とかっこよくてバジェットの範囲内だったのが UNICA というモデル。これはアルミ+カーボンバックで、普段着でも乗れそうな頑張りすぎない雰囲気が素敵。

- ORBEA について
スペインのメーカーORBEAも、独特の雰囲気を持ったメーカー。「オニキス」というフルカーボンのモデルは完成車がとてもリーズナブルで、戦略的なモデルになっている。

- COLNAGO について
フレームが星形になっているのは、トレードマークのクローバーと同じくコルナゴのアイデンティティー。カーボンフレームでも同じような成形になっている。昔のロードはみな形が一緒だったから、ペイントで自己主張する必要があったのだそうだ。よって、クロモリフレームのロードバイクには華やかなものが多い。
ストレートフォークを出した頃は非難轟々だったが、プロがレースで勝つことで彼らのアインデンティティーを守ってきた。創始者であり現役の経営者であるエルネスト・コルナゴさんは、創業以来稼いだ金を全部レースにつぎ込んできたらしい。本人は今でもフィアットに乗っているそうな・・・。
色んな意味で、世界でひとつだけの特別なメーカー。

- Master X-LIGHT について
「コルナゴの「今」に繋がる源流となったフレーム」だそう。コルナゴのクロモリフレームとしては最後の世代で、Master というフレームを軽量化したためにX-LIGHT(エクストラ・ライト)の名がついている。お店の方は現役のレーサーで、「引退したら乗りたいバイク」との評価。
2005,2006年とカタログから消えていたものの、日本国内のショップからのリクエストが一定量を超えたために代理店がイタリアの本社にかけあって2007年から復活したのだそうだ。代理店が提示している完成車案は、代理店がパーツをまとめて調達するために好きなパーツを組むよりも安く上がるらしい。

・・・それにしても、イタリア人のもの作りにかける情熱とセンスには本当に驚かされる。コルナゴのクロモリフレームは、細部までとことん手が込んだ作りになっていて、美しいカラーリングも手伝って、「ほぉ~」とため息をつかせると同時に、強烈に所有欲を刺激するのだ。「製品」というよりも「芸術品」「工芸品」と言う感じ。まさにプライスレス。これが自転車だけじゃなくて自動車なんかに広がっちゃったら、とんでもないことになるのだろう・・・。貧乏でよかった。

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