COLNAGO Master X-LIGHT 到着

金曜日の夕方、 3週間前に発注した COLNAGO Master X-LIGHT が組みあがったとの連絡を受けたので、土曜日の昼ごろ北千住のお店へ受け取りに行った。

ニコニコ現金払いが基本らしいので途中でお金をおろし、お店へと向かう。「初めてのデート」的シチュエーションに自然と胸は高まる。
お世話になっている店員さんに挨拶して、ひとまずバイクをチェック。さりげない雰囲気の中に強い自己主張を秘めている・・・とでも言おうか、なんとも美しいバイクだ。

まだどうするか決めていなかったペダルは、
- 普段乗りのクロスバイクが使える前提をおけば、このバイクを使うのはツーリングのみ -> 街乗りのことは忘れてOK
- どうせいくなら、いけるところまでいってしまえ！
・・・という無茶苦茶な理論でロード用のビンディングに決定。

ビンディングは、お店の方が「つけやすい」という TIME のリーズナブルなモデル(RXE)を選択。ビンディングの固さ調整をできる機能がついていないらしいものの、「普通はデフォルトの強さ(=一番緩い)で問題ない」とのことだったので、安心して選べた。ロード用であれば、靴側はほとんどのメーカーのクリートに対応しているらしい。

靴は、16,000円くらいのSHIMANOかADIDASで悩んだものの、「裏のカーボン素材がハイエンドのモデルと同じ」というSHIMANOを裏切り、あえて見た目でADIDAS(Vueltano)を選択。
シューズにクリートをつけてもらい、試しにローラーの上でビンディングの脱着の練習。これは・・・絶対にこけるな。

ギアやブレーキに関する説明、それから細かい注意などを受けてから支払いを済ませ、いざ自走にて帰宅。怖いので、新品のシューズはザックにつめて運動靴(登山用のアプローチシューズ)で出発した。
昭和通りにのったところからスピードに乗っていったのだけれど、正直ここまで違うとは思わなかった。今乗ってるクロスバイクもそれなりにスピードは出るが、このバイクは漕げば漕ぐほどグングンスピードに乗ってくれる。あまりの気持ちよさに満面の笑みで「ウヒョヒョヒョヒョ」と奇声を発してしまったほどだ。

上野、秋葉原を過ぎてから右折し、大手町周辺で帰り道のルートを考える。この気持ちよさを自宅までの車道だけで終わらせてしまうのはあまりにも惜しい！・・・だが、時間は遅いし荒川のサイクリングロードに戻るのはそれなりに面倒だ。北千住からサイクリングロードに乗ればよかったのか・・・と一通り後悔して、皇居の北側を西向きに移動。

千鳥ヶ淵のところで自転車を止めて、人通りの少ない公園でビンディングシューズに履き替えてみる。右足を楽にはめられるようになったので、いざ左側を・・・とヨロヨロ走っていたら、あっけなく右側に立ちゴケ。なんとか右手をついたのでバイクにダメージはなく、手のひらの傷も浅い。その後、何回か脱着を繰り返し、大体コツがつかめてきたのでそのまま出発。
青山通りを曲がり、赤坂見附、青山一丁目を越えると後は勝手知ったる道のりなので、特に問題もなく家までたどり着いた。

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初乗りということで15キロくらい走ったので、気付いたことをまとめておこう。

- ドロップハンドルについて
前傾姿勢は、はじめのうちは大丈夫だったが走るにつれて辛くなった。ブラケットの深いところまで持ってしまうと、サドルからの距離がいっそう遠く感じられるので、こまめに楽な姿勢に切り替えたほうがよいらしい。今乗っているクロスバイクでも、意識的に前傾姿勢をとっているつもりだったが、このバイクはサドルからハンドルまでが果てしなく遠く感じられる。
下ハンドルは、2,3回シャレで握ってみたものの全然それっぽい格好にならず、逆効果。まずは地道に前傾姿勢に慣れていくしかないのだろう・・・。

- ハンドルについて
漕ぎ始めなんかでグイグイやるときにハンドルが揺れてしまう。クロスバイクのストレートハンドルだとハンドルの回転軸から長く伸びた先っぽが使えるのに対して、ドロップハンドルの場合は直径も短く変則的な場所を握っているのでブレやすいようだ。まぁ、これも慣れで解決できそう。

- タイヤについて
新しいバイクのタイヤは700x23c。横幅23mmはロードバイクでは標準的な太さで、今乗っているクロスバイクは25mm。所詮2mmの違いしかないので、ほとんど違いは意識せずに済んだ。ただ、必要な空気圧が最低でも100psiいるようなので(今のものは70psi)、こまめにチェックしてあげる必要がありそう。

- ギアシフトについて
「カンパは遊びが多い」と聞いてはいたけれど、やはり慣れないうちは大変そう。後ろのギアを動かしていくとチェーンガイドに当たったりするので、これを自分で意識して前ギア側も動かす必要がある。
また、当たり前だけどどこにもゲージがないので、今どのギアを使っているかは乗っている本人が把握している必要がある。

- ブレーキについて
ブラケットを握った状態だと、ブレーキの根元あたりしか届かないので思いっきり制動をかけるのが難しい。とはいえ、指を二本を使って頑張ればそれなりにスピードを出していても止まれるので、まぁ問題ないだろう。

- ビンディングについて
ビンディングのメリットは「漕ぐことに集中できる」ことに尽きるのではないか、と思う。何も考えず、ただひたすらバイクに自分の力をインプットできる、という意味でビンディングは非常に有効だと感じた。デメリットは頻繁につけたり外したりするのが億劫なこと。右足は常につけっぱなしにし、必要なときに左足を外すスタイルが便利なようだ。
普段靴での乗り心地に関して言えば、思っていたより普通の靴でも乗れるなぁ、というのが素朴な感想。ギアシフトのショックなんかで、足がペダルから外れてしまいそうなのをきちんとケアできれば、普通に使える気がする。もちろん、ビンディングの快適さに慣れてしまうと常用する気は到底起きないだろうが・・・。

- サドルについて
メーカー側でカタログに載っているモデルがなくなってしまったらしく、Master X-LIGHT についてきたのは San Marco というメーカーの新しいモデル(ウェブに情報なし)。真ん中へんの生地が滑り止めっぽい感じになっていて、一回決めたポジションからズレないようになっている。
もう一台のクロスバイクのサドルは、薄いクッション素材がついているので慣れてからは長距離乗っても大丈夫だった。だが、このサドルは想像以上にハードロック。ピチピチパンツにはまだ抵抗感があるので、内側にはくことができる「インナーパンツ」を買おうかどうか、本気で悩んでいる。

- ジルコ加工について
コルナゴのアイデンティティーとも言えるフレームの星型成型は、ジルコ加工という手法によって作られるらしい。効果云々は置いといて、なんとこのタイプのフレームだと、星型成型が邪魔して途中までしかシートポストが刺さらないのだそうだ。サイズが調整しにくくなる程度のデメリットなんて、コルナゴさんのコダワリの前では何の意味もなさないのだろう。

- カンパのフリーホイールについて
カンパニョーロのフリーホイールは途方もなくうるさい。多分、ストーキングとかするときには、細心の注意で漕ぎ続けないと間違いなく感づかれると思う。きっと、これはカンパニョーロのエンジニアの「走ってる最中は漕ぎ続けてください」という秘められたメッセージなのだろう。

- ロードバイクを乗っていて気づいたこと
まだ、走っていてマルチタスキングな処理ができない。例えば「ギアを下げながら」「ペダルから足を外す」みたいなことができないので、戸惑っている間に何かが起きてアクションが要求されたりするとパニック状態に陥ってしまうかもしれない。これはひたすら慣れるしかないだろう。
また、ロードバイク標準の強い前傾姿勢だと、体が立っていないので後ろを確認するのが難しい。なんというか「獲物を追うライオンは振り向きはしない(中村一義)」的状態なので、車道を走るときはこれまで以上に注意を払う必要がありそうだ。

何か新しいものにチャレンジしていく時って、始めたばかりでグイグイとコツをつかんでいく過程が一番楽しいのではないか、と思う。「ロードバイク」という、舗装された道をひたすら高速に移動するためのマシンは、ひとつひとつの難しさを克服していくことでより効果を発揮してくれる、素晴らしい魅力に満ち溢れたツールなのだな、と感じた。