ロードレーサー雑感
COLNAGO Master X-LIGHT が届いて以来、平日の朝に多摩川沿いのサイクリングコースを走ったり、休日の長距離サイクリングに挑戦したりしている。自転車が届いてから約3週間(うち、1週間はアメリカに出張していて乗ってない)で走行距離が300kmを越えているので、結構なペースで乗っているように思う。
平日は、仕事が始まるのが遅いので、週に2日くらいの頻度で7時過ぎから2時間弱のサイクリングで汗をかくことが習慣化しつつある。自宅から駒沢通り沿いを無理せずに30分走ると二子玉川に着くので、ここから右岸(西側)のサイクリングコースを利用して、布田でコースが途切れるところまで走る。この季節は大抵北風なので、行きは 27km/h を目標にして走り、折り返してからは 32km/h を目標にしている。走行距離は 35km くらいで、最近は1時間半程度で走れるようになった。爽快な疲労感と一緒に一日が始まるのは、なんといっても気持ちがいい。
先週末チャレンジした奥多摩湖行きについては、ここにまとめておいたので、興味のある方はどうぞ。結果的には完走できなかったものの、ロードレーサーを利用したツーリングのポテンシャルは大いに感じることができた。さすがにはじめから 160km に挑戦するのは無謀だったかもしれないので、地道に 100km 越えをできるルートを考えてみようと思う。
POLAR の CS100 という心拍計つきサイクルメーターを装着したのだけれど、自分の体の調子をリアルタイムに把握しながら運動できることに新鮮な驚きを感じている。何事においても瞬発系能力で突破してきた自分にとっては、「運動強度をコントロールすることができる」ということは一種のパラダイムシフトにもなりうる。サイクリングでのトレーニングの成果をテニスやサッカーに応用して、高校時代並の動きができればよいナァ・・・なんて考えてはいるものの、きっとそこまでは無理だろう。
少しずつ自分の中でも「ロードレーサー」という自転車に対する理解が深まってきたのと同時に、正しい姿勢や乗り方についての混迷度がアップしてきた、という実感がある。お店の人に出してもらった「適正ポジション」を前提としたコンフィグレーションのままで乗っているので、「この辺が正しい乗り方かな?」と自問自答を繰り返している感じ。お店の人に「慣れるには2,3ヶ月はかかるでしょう」と言われているので、気長に自分のポジションを探していくことにしようと思っている。
ロードに乗り始めて以来、色々と気付いたことがあるので例によって箇条書きでまとめてみよう。
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- コンパクトドライブについて
自転車の発注をかける際、お店の人に「ロードレーサーのギアはレースに使う前提になっているから、ツーリングに使うのであればコンパクトドライブのほうがよいですよ」と教えてもらったので、はじめからコンパクトドライブにすることにした。フロント 50-34でリアが12-25。
感覚として、漕ぎ始めるときにフロントのインナーとリアの真ん中あたりを使い、スピードが乗ってくると同時にリアを上げていき、そのままスピードが出せる場合に限ってフロントを上げる(と同時にリアは少し下げる)、というのが一般的なパターン。下り坂なんかで飛ばすときにギアを使い切ってしまうが、逆に疲れた時の登り坂では一番軽いギアを使うことになるので、保険という意味でもコンパクトドライブには満足している。
- 街乗りについて
ロードバイクで混雑した道を走るのは苦痛。
小回りの効きにくいドロップハンドル、前傾しないと届かないブレーキ、頻繁なストップ&ゴーがしにくいビンディングペダル・・・というコンビネーションだと、頻繁に交差点で止まるだけでも相当フラストレーションがたまる。家から会社まで(5km弱程度)、みたいな使い方にはこれまで通りクロスバイクを使ったほうがよさそうだ。
- クロモリフレームについて
クロスバイクのアルミフレームとの違いは、加速時や上り坂なんかで力をいれたペダリングをしている時に感じることができる。クロモリのフレームだと、ほんの少しだけグニョングニョンとしなってくれて、ためができる感じ。対するアルミフレームは、カチカチの剛体を相手に格闘する感じ。
明らかな違いがあるとはいえ、初めてロードレーサーを買う人はフレームの素材よりももっと他のこと(値段、用途、サイズ、見た目、お店、等々)を気にして選んだ方がよい気がする。フレームの素材はあくまでもロードレーサーを作り上げる一要素であって、「その素材をいかに料理するか」はメーカーとモデルによって全然変わってくるように思う。
- 輪行バッグについて
オーストリッチの“ロード320”というモデルを利用している。
「一番ポピュラーなタイプ」ということでコンサバ気味にこれにしたのだけれど、500gは手に持ったときにけっこうズッシリくる。輪行バッグへの収納は初めてでも20分くらいでできたので、慣れれば10分もかからずにやれそう。
ただ、常用するものでもないので、もっと軽量なモデルにしてもよかったかもしれないという後悔はある。初使用時には奥多摩駅から青梅線、中央線、山手線と乗り継いで帰宅したのだけれど、ダウンチューブのヘッド側のブレーキワイヤーをひっかける突起の塗装が少しはがれてしまった。
- インナーパンツについて
Wizardというメーカーの安価なインナーパンツを試しに買ってみたところ、大正解。いかに慣れてきているとはいえ、カチコチのサドルにまたがる以上クッション性のあるパンツを履いているのと履いていないのとでは大違いであることがよく分かった。
- 服装について
レースに出るわけでもないので、登山用のものをそのまま流用している。「風でバタバタしない」「防風性がしっかりしている」「ズボンのスソは膝まであげられる」というあたりを押さえておけば、サイクリングに支障はない。ピチピチルックにはそれ相応のよさがあるのだろうけれど、今の自分の用途には必要ないと感じている(・・・とかいいつつ、何かの折りに良さを知ってしまうことが怖い)。
今年は暖冬なので、下半身に Wizard のインナーパンツと MOON のクライミングパンツ(動きやすい上に、ループを使ってスソを膝の高さに固定できる)、上半身は適当なシャツ(化繊)とモンベルのマウンテントレーナー(ソフトシェル(2002年モデル))、というコンビネーションを愛用している。
- ビンディングシューズについて
通気性がよいだけに、寒い日は足が冷えてよろしくない。
初めて午前中の気温が低い時間帯に走ったときは、足がしびれてきたのを靴をきつく締めすぎたせいと勘違いしてしまった。走り始めで体が温まっていない間は、意図的に靴の中で足を動かした方がよいらしい。シューズカバーを揃える、というのもアリだがまだ必要性は感じていない。
なんとなく、世間ではロードレーサーに対する「レーシー」なイメージが強すぎるように思う。トレーニングなしには乗りこなせない、という意味でハードルが高いのは確かだけれど、乗っている側ももう少しユルい感じのつきあい方&乗り方を心がけてもよいのではないか、と感じた。登山の格好をしているからって、みんながみんな北アルプスにクライミングしに行くわけではないのだ。
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