2007/7/24 の赤牛岳
町内の山という、富山県在住の池上さんのウェブページをよく覗かせていただいている。
山登りの装備に関するディープな考察やレビュー、それに黒部源流域に関する記事が実に充実していて、何度読み返しても池上さんの深い薀蓄に「ウ~ム」とうならされてしまう。
中でも興味深いのが「薬師見平」と「高天原新道」に関する記事。
「薬師見平」は、黒部源流域の中でも最奥に位置する幻の湿原で、現在ここにたどり着こうとすると1週間の予定を組んで、相当ハードな山行になることを覚悟しなければならない。さらに、その昔高天原と東沢出合(現在の奥黒部ヒュッテ)を結んでいたという「高天原新道」も、行程が15時間というクレイジーさが実に素敵で、昔ながらの山登りのロマンを感じさせるルートだ。
ミーハー心で「薬師見平を目指すぜ!」と考えた場合、スゴ乗越からスゴ沢を下降して中タル沢を詰めるのが現実的なのだろうか?赤牛岳から北西に伸びる尾根も使えそうだが、迷うのが怖いからGPSが欲しくなりそうな気がする。ピークを目指すわけでもないのに、1週間もの時間とハードワークが必要になる、というあたりからして、ある種非常に贅沢な山登りであると言えるのかもしれない。この山域にもう少し詳しくなったらいつか目指してみたい場所ではある。
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・・・とかまぁ、黒部源流の山々に思いを馳せていたら、自然と今年の7月に行った北アルプス縦走の写真に手が伸びた。新穂高温泉から入山し、笠ヶ岳から三俣蓮華岳を越え、高天原に泊まって読売新道で黒部湖に下る・・・という計画だったのだけれど、5日中4日も雨に祟られたテント行は実にハードで充実したものだった。
山行全体のレポートはこちらで、ルートの概要(GPSのログ)はこちら。
で、5日中1日だけ雨に降られなかった1日こそ、この計画の核心部で、忘れがたい1日となった。高天原から温泉沢を詰めて、赤牛岳を越えて読売新道を下ったこの1日は、7月とは思えない快晴に恵まれた。今思い出しても脳味噌がとろけるような稜線歩きで、黒部源流を挟んだ左手に薬師岳、前方に立山連峰、その彼方に白馬・朝日、右手には野口五郎に烏帽子、さらに振り向けば水晶と黒部五郎、さらにその向こうに槍ヶ岳や笠ヶ岳・・・という「眼福」としか表現のしようのない景色を楽しむことができた。
赤牛岳の位置を冷静に見てみると、北アルプスのど真ん中にポツリと孤立していて、まさに展望台という名がふさわしい場所であることに気付かされる。どこを歩いても人の気配を感じてしまう北アルプスにあって、実に静かでのんびりとした山歩きが楽しめる場所だと思う。どこから入山しても、必ず4日は山の中に過ごさなければ辿り着けないという、忙しい(とされている)現代人には非常に行きにくい山だからこそなのだろう。
最近はGoogleのPicasaで写真を管理していて、ウェブにアルバムを掲載する機能を試してみたかったのでこの時の1日の写真をアップロードしてみた。アップロードにはGoogleアカウントが必須で、アルバムごとにアクセス制限(フルオープン / 特定のGoogleアカウントに限定)がかけられるので仲間内の写真をアップロードするのにも使えそうだ。
2000724 赤牛岳 |
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