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二子玉川のコスモス畑と、自分らしい自転車ライフについて

日曜日は気持ちよく晴れたので、普段着でロードレーサーにまたがって多摩川へ出かけてみた。もちろん、肩に掛けたメッセンジャーバッグに相棒のカメラ(E-410)を放り込んで、である。

まだ膝の調子が思わしくないし、心肺機能もピークの頃に比べて随分落ちてるので、アプローチの駒沢通りはゆったり安全走行。二子橋のたもとのコスモス畑は、今が花盛りで実に見事。

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最近読んだ「花と木の文化史」という本に影響されて、花の名前や原産地に興味を抱くようになった。フラワーショップや家の庭なんかに植えられている身近な花のほとんどは外来種で、しかも近代ヨーロッパによって世界中から採集され、品種改良されたものが多いと聞いた。コスモスもまた、ご多分に漏れず19世紀にメキシコの高地からヨーロッパに持ち込まれたもので、語源はギリシャ語で「秩序」「美しい」を意味する"Kosmos"とのこと。

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先週の富士スピードウェイの感覚が体に残っているせいか、走り慣れているはずの多摩川サイクリングロードがやけに狭く感じる。子供は不定な動作をするし、ノロノロ運転の自転車も恐ろしく、25km/hも出せば十分という感じ。F1ドライバーが一般道を運転すると「不確定要素が多くて怖い」という話を聞いたことがあるけれど、それに似た感覚なのかもしれない。

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河原へと続く階段の手すりに自転車をたてかけて、しばらくひなたぼっこをしながら自転車の写真を撮ってみた。何度見ても Master X-LIGHT のスリムでシャープなシルエットは美しいと思う。この自転車に出会っていなかったら、自分がロードレーサーに乗ることはなかっただろう。

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今は体のコンディションがいまいちなので、そういう時に限って「次は**に行こう」とか「次はあんな自転車が欲しいナ」とか「今度はこのパーツを変えたいナ」なんて思いが浮かんでくる。忙しいときに「時間ができたら・・・」と考えるのと似たようなものかもしれない。

「自分らしい自転車の楽しみ方」とは、レースのために集中的にトレーニングするとか、家の中でローラー台に乗ったりとか、乗りもしない高価な自転車を眺めてニヤニヤするとか、そういうのでは断じてない。「自転車はあくまで道具」であって、気分良く晴れた日に楽しくサイクリングする、というのが自分にとっての「自転車遊び」なのだという思いを強くする。

山登りでも、その究極的な部分だけを取り出したフリークライミングの世界に魅力を感じないように、気まぐれな自然や、不確定要素に満ちた外の世界との触れあいを楽しむことこそが「自分らしい楽しみ方」なのではないかと思う。

また、自分が山登りで経験した「過度に道具に頼ったら面白くなくなる」の法則は、自転車においても同じ事が言えるのではないかと感じる。古くても、ボロくても、愛着のある装備で自分らしい楽しみ方を追求していけばよいのだ。

主目的はあくまで「楽しむ」ことであって、速く走るとか距離を走るとか峠を越えるとかといった要素は、あくまで「楽しみ」を盛り上げるためのトッピングでしかないのだ。
そこのところだけは忘れずに、今後も楽しく自転車とつき合っていこうと思った今日この頃だ。

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