いのちの食べかた
「いのちの食べかた」という映画を青山のイメージフォーラムで見た。
久しぶりに映像に圧倒される体験をしたなぁ、というのが素直な感想。
BGMもなければナレーションもないドキュメンタリー作品なのだけれど、ここまでの存在感を持った映画はそうあったもんじゃない。
エンジニア的視点から見て、よくぞあそこまでオートメ化したなぁ、と心の底から思えるほどに効率化&洗練された現代の食品製造工場の姿が淡々と、ひたすら淡々と描かれる。
もういちいちスゲェ、とか驚いてられないほどスゴイので、興味のある人は是非見に行ってみることをオススメします。
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よい意味で、映画を見ながら、色んなことをボンヤリ考えさせてくれる、隙のある映画なので、上映中に色んな考えが頭をかけめぐって、なかなか面白かった。
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まず、似たタイプの作品として映画「バラカ」を思い浮かべた。
地球と人間の「今」みたいな映像を集めて出来上がった作品で、エンターテメント的な味付けがされているので割と普通に楽しめる映像。
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そして、NHKスペシャル「人間は何を食べてきたか」。
これは、高畑勲さんと宮崎駿さんの熱意によってDVDとしてパッケージングされた経緯がある映像なのだけれど、なかなかマジメに世界中の食文化を追っかけた作品なので、なかなか見応えがある。
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そして何よりも、岡崎京子さんの漫画「リバーズエッジ」の主人公ハルナの独白↓。
“でも スーパー・マーケットに並ぶ スライスされパック詰めされた肉達
あれらは本当に生きていて あのTVで見たことのある 牛や豚やニワトリの形をしていたんだろうか?
本当は学校の近くにある あの煙たなびく工場の中で 作られたものなんじゃないだろうか?
その方がいい その方がほっとする
あたしは「自然」なんか嫌いだ”
本当に、冗談じゃなく「スライスされパック詰めされた肉達」が工場で作られる時代が来るとは、流石の岡崎京子さんも予想していなかったに違いない。
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イメージフォーラムで映画を見たのは初めてだったけれど、席数の割にスクリーンも大きく、椅子も座り心地がよくて、なかなかナイスな映画館だった。
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