アプローチシューズ考

ここ数年、日帰りの山登りではアプローチシューズというカテゴリーの靴を愛用している。

アプローチシューズとは、もともとフリークライミングのスポットまでの「アプローチ」をこなすために発達した靴で、いわゆる「登山靴」ほどの堅牢性を持たせず、軽快に山道を歩く性能を持っている。

自分が使っているのはファイブテンのプロディジーというモデル。本当は、同じくファイブテンのガイドテニーが欲しかったのだけど、どこにも置いていなかったのでこれにした。
高田馬場のカモシカスポーツで、型落ちのものを1万円くらいで購入。
普段履きとしても愛用しているので、なかなかよい買い物だった、

古典的な登山靴が「硬いソール」「堅牢なアッパー」「足首を包むハイカット」といったキーワードによってカテゴライズされるとするならば、アプローチシューズはその真逆の「柔らかいソール」「軽いアッパー」「ローカットかミドルカット」といったキーワードによってカテゴライズされる。

登山靴のメリットが最大限に発揮されるのは、「荷物が重くて」「不安定なコンディション(雨・雪)の中を」「中～長期(2,3日から1,2週間)に渡って歩く」時だと思う。一般的な登山靴は、この基本コンセプトから大きく外れることなく、靴底やアッパーの素材や成形によって差別化が図られている。

対するアプローチシューズは、「軽快に」「ある程度安定したコンディションの中を」「短期間(日帰りか2,3日)」で歩くのに適している。柔らかい靴底のグリップ力と足裏感覚によって、ちょっとしたクライミングなんかもこなせる性能を持っているものも多い。なんといっても軽いし脱着も楽だから、温泉なんかに寄ったときにも抜群の機動性を発揮してくれる(←軟弱者的発想)。

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さて、日帰り登山では最強と言えなくもないアプローチシューズなのだけど、いくつかある弱点のうちのひとつが「防水性」。薄いアッパーなので、簡単に水が染みこんでしまう。年初に行った越前岳で雪道を歩いたときは、雪で濡れるわ冷たいわで大変だった。

で、偶然ファイブテンのカタログを眺めていたところ、ファイブテンの2008年モデルとして、EXUM GUIDEなるモデルを発見。

軽く調べた限りだと、それなりに防水性を持たせたミドルカット(ちょっと高め)の人工皮革が奢られていて、ソールはプロディジーと共通の模様。

これは・・・限りなく登山靴に近いアプローチシューズと言えそう。
問題は重量だけど、

Prodigy 420g
Exum: 500g

(片足)なので、そこまで大きな重量差はないと言える。

一歩間違えると中途半端なシューズになってしまうカテゴリーだから、実際の所は使ってみないと分からないだろうなぁ。
ヘタッてきている軽登山靴の代わりに、このあたりの靴に手を出してみるのも面白いかもしれない。

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ついでなので、自分の山用の靴を一挙に紹介。

雪のないスリーシーズン用： AKU コネロ GTX (670g)

5年くらい履いてる、いわゆる普通の登山靴。
軽いし、そこそこ堅牢だし、ゴアなのでムレないし、となかなかよくできてる。
軽登山靴に分類される人工皮革＋ナイロンのアッパーで、使い込んでいくうちに防水性がなくなってくる。
ソールも減ってきたし、縫い目のほころびも目立ち始めた。
そろそろ買い換え時。

沢遊び用：Keen Newport H2 (390g)

「歩けるサンダル」。
普段履きとしても大活躍。
沢登りの後の山歩きとか、渡渉の多いルートとかに使える。

沢登り用： Caravan 渓流 赤石 (430g)

フェルトソールの渓流シューズ。
最近はファイブテンのステルスラバーを作ったゴム底の沢靴もよいと聞く。
でも、コケとかのついたヌメヌメしたところでは、フェルト底に軍配が上がりそう。

雪山用： Koflach Vertical (1320g)

プラスチックブーツの定番。
雪山では無敵だけど、賞味期限が短いのが難点。
2007年から製造していないらしい。詳しくは前のエントリーを参照。

フリークライミング用： Roc'terra Velco Tyrnno (290g)

石井のセールで購入。
あんまり見ないメーカー。
フリークライミング自体はほとんどやらないので(岩登りの事前練習くらい)登場機会は少ない。