Sweet Seventeen

きちんとした体重管理がやりたかったので、TANITAの高機能な体重計(“体組成計”というらしい)であるところのBC-300-PRを導入してみた。

今まで家にあったのは500g単位でしか計れないやる気のない体重計で、自転車のレース前の体重管理にはほとんどといってもよいほど役に立たない代物だった。

箱を開けると、デカくて重いけど薄いな、というのが第一印象。
場所&日時を設定してから個人情報を登録して乗ってみる。
ここのところ運動量が落ちてて食事量が増えていたので心配だったものの、60kgをちょこっと出た程度で済んだ。よしよし。

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基礎代謝から体内年齢というのを計算してくれるのだけど、驚くべきことに17歳と認定された。説明書をよく読むと、単純に基礎代謝のピークがその辺りの年齢に該当するから、ある程度以上の基礎代謝があるとその年齢に分類されるということらしい。でも、「若い」と認定されるのは嬉しいもんですね。オヤジになりつつある証拠なのかしらん?

とりあえず、今日夕方の時点での数値はこんな感じ。

[男性・アスリート]
体脂肪率 7.4%
内蔵脂肪レベル 1
筋肉量 53.0kg 1
推定骨量 2.9kg
基礎代謝 1559kcal
体内年齢 16歳

[男性]
体脂肪率 10.1%
内蔵脂肪レベル 1
筋肉量 51.5kg 1
推定骨量 2.8kg
基礎代謝 1515kcal
体内年齢 17歳

個人情報を登録する際に、「男性・アスリート」か「男性」かを選べるのだけど、「アスリートモードは週に12時間以上トレーニングを行うシリアスなスポーツ選手向けのモード」とのこと。今は練習をサボってるから12時間も運動してないけど、練習を再開すれば週12時間+で運動する日々がやってくる。出てくる数値が随分変わってきてしまうので、どっちに設定するか悩ましい。

あとは、Google Spreadsheetでも使って毎日の体重&身体脂肪率を管理すれば生活による体重の変化をトラックできる。ヒルクライムのレースやなんかでは体重管理が重要なキーになってくると思うので、ガッツリ活用していこう。

BC-300-PRは、毎日乗っかることを意識してよく考えられているので使い勝手も上々。説明書も分かりやすいし、定番の商品であるがゆえの安心感もある。ちょっと高いけど、高機能な体重計を探している自転車馬鹿には最適なモデルだと思う。このクラスのものを持っておけば、まず文句は出ないはず。

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「16歳」とか「17歳」というと、ケン・ローチ監督の映画「SWEET SIXTEEN」を思い出す。この人の映画はどれも救いようのない現実を嫌と言うほど描いていて、見ていて胸が痛くなってくる。いつもこの人の映画ばっかり見てたら映画を見るのが辛くなってしまいそうだけど、たまには火星人もヒーローも出てこない映画を見るのもよいもんだと思う。

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脳味噌化する人、ネタ化する社会

「変わる家族、変わる食卓」という本を読んだ。
ここ数十年の家庭の食生活をつぶさに眺めていくことで、今どきの家族の形や、家族を取り巻く社会の変化が伝わってくる、なかなか面白い本だ。

変わる家族 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識変わる家族 変わる食卓―真実に破壊されるマーケティング常識
岩村 暢子

勁草書房 2003-04
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おすすめ平均

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この本を読んでいて思ったのは、現代という時代は、ありとあらゆるものがネタ化して、交換可能な価値を持つ情報として扱われている時代なのだなぁ、ということ。
食事という、アナログで、身体的で、生きていくためになくてはならないものでさえもが、「家庭」という現場でないがしろにされ、記号化されている現状が痛々しいほどに伝わってきた。
ついつい、色んな局面で楽をしてしまう自分にとっても、実に耳が痛い読書体験だった。

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先週の日曜日、夜遅くから三茶で友達と飲んでいて、話題になったのが「最近の人間は脳味噌化してるな」ということ。

メディアの発達は本当に凄くって、伝えたいメッセージを圧倒的多数に対してばらまくことが出来る仕組みが高度に確立している。そして、人は情報というものの入力をついつい受け止めてしまうところを持っているから、ばらまかれた情報の氾濫が一人一人の人にとって受け取りきれない状態が発生するのではないか、と思う。

僕が思うに、そういう状態(情報の洪水)になると、人は入力情報に対して鈍感になってしまい、自分の判断基準でもって考えることを止めがちになってしまう。

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絶対的な「正しさ」なんてものは、存在しない。
そこにあるのは、時代と状況に応じた妥協であり、的確な判断に基づいた一時的に有効な意見であり、行動だ。

こういう考え方は新しいものではないけれど、人は歴史を通じて自分たちの「正しさ」を伝え合うという努力をしてきたから、「正しさ」というものは常に人から熱望され、市場価値が高くなりこそすれ低くなることはない。

今のようにメディアが発達し、「正しさ」がありとあらゆるところで喧伝されている時代になると、人はますます「正しさ」の価値を過剰評価して、それを盲信するようになってしまうのではないか、と感じた。

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羊男の憂鬱

すごい人がいた。

東京五輪も知らず洞穴生活43年…57歳男の半生(読売)

14歳で干し芋、塩、それにマッチを持って家を出て、それ以来貨幣社会に巻き込まれることなく生きてきたらしい。
真っ先に思い出したのが村上春樹の小説「羊をめぐる冒険」に出てくる羊男だ。
確か、羊男は北海道の寒村に住んでいた、戦争とそれに伴う徴兵に嫌気がさして、羊の皮を被って山奥でひっそりと生きてきた、という設定だったと思う。

柳田国男の「遠野物語」なんかに出てくる山男の典型的な例とでも言えるのかな?
貧乏な農家の8人兄弟のうち、6番目に生まれて・・・。
この5,60年間で日本という国がどんなに変わってきたか、ってことが忍ばれるケースだと思った。
そりゃ成金国家って呼ばれてもしゃ~ないよなぁ。
もっとファンダメンタルな面から豊かにならないと・・・。

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