ツール・ド・おきなわ 市民85km

ロードバイクにどっぷりハマった2008年の総決算として、「アマチュアレーサーの甲子園」と評されるツール・ド・おきなわへ参加。

Pb083435

自分は200kmや130kmを完走する自信がなかったので、市民85kmのレースにエントリー。エントリーが決まった8月からトレーニングを重ね、毎月約800-1200km走り込んで、初の公道ロードレースに備えた。
旅行記っぽいのは別の機会に書くものとして、とりあえずレースレポート:

**

レース当日の11/9は朝から雨。
4:30に起きて、5:30から宿で朝食。昨日食べ過ぎたのでおかわりはなし。
大会本部が運営しているバスで、市民85kmのスタート地点である辺名岬へ移動。スタートの2時間以上前に到着してしまうので、暇を潰すのが難しい。自転車に空気を入れて、軽くチェックをしてからトイレに行ったり出走票を投函したり。屋根のあるところで待機していたら小腹が空いてきたので、売店でポテトチップスとホットココアをいただく。

アップのために走りにでかけて、自転車のチェックのために思いっきりトルクをかけたりしてみる。問題はなさそうだけど、雨でブレーキの効きが悪いのが恐ろしい。

今回沖縄に持ってきているのは街乗りTIME号(VX Elite)。
一番距離を乗っていて、TIME号よりも乗り慣れているコルナゴ号(Master X-Light)は、鉄なので錆びるし傷ものになるのがイヤなので家でお留守番。

9:00頃になるとみんなが並び始める雰囲気になってきたのでスタート地点へ。早い人は随分前から並んでいるらしく、後ろから数えて70-80人くらいの位置。自転車にまたがって待つこと約50分、200km国際と、200km市民の集団が通過してからスタート。定刻から約20分遅れ。

スタート直後は混雑するので無理せずゆっくり。周りが少し落ち着いて、小さなアップダウンで集団のペースがバラけるあたりからグイグイスピードを上げてポジションアップを重ねる。追い風なので、平地の区間では45km/h以上で巡行。所々で中切れしているので、何回か前に出てガンガン踏んで前の集団に追いつく必要があった。

登りが始めるまでにトンネルが3箇所あるのだけど、2個目のトンネル入口付近で大規模な落車が発生。前の方で「落車~」と叫んでいたのでゆっくりトンネルに突入していくと、右側車線に20-30人くらい落車している。左車線が空いていたのでゆっくり通過して事なきをえたものの、周りでも落車に気を取られてツルリといく人がいて気が抜けない。

よいペースで平坦区間を終えて登り区間に入ると、序盤からキツめの坂が連続するので無理をしないペースで登っていく。130kmの大集団が右側車線を力強く登っていくのと併走したのだけど、今の自分ではあのペースで登り続けるのは無理だなぁと実力の差を実感。周りの何人かが似たようなペースで登っていたので、それに合わせてシッティングで走行。Edge 705の地図を見て、山岳ポイントが近いことが分かったあたりからアウターにかけてダンシングでペースアップ。一緒に登ってた人たちの前に出てしまったので、下りは一人旅。

何度か際どいコーナーがあるので注意して下る。前方に85kmの集団が見えたので、ペースアップしていくつかのコーナーをパス。・・・と、長めのストレートでスピードを乗せて、右コーナーのために減速したタイミングで前輪が滑って落車。60km/hくらい出ている状態からブレーキに力をかけたのだけど、ほんの少しだけバランスが崩れていたのがマズかったらしい。

ツルリといった後は、アイスリンクの上のようにツルツル~っと滑ってからガードレールにタッチしてストップ。腰に擦り傷を負ってしまったものの、大きな怪我はないので立ち上がって自転車をチェック。後方からチームメイトのセイゴさんが声をかけながら通過していく。右STIが内側に曲がっていたのを直して走り始めると、ブレーキの調子がおかしい。バーテープはボロボロ。前輪も振れているし、リアディレイラーも内側に曲がってしまっている。

目標を完走に切り替えて、関門&補給ポイントを通過。ブレーキの制動力が落ちている&落車したばかりなので下りが恐い。上りになったのでギアを下げようとするが下がらない。そのままペダリングしていたところ、「ボカッ」とリアエンドが折れて、ディレイラーが脱落。後ろの人が「あ~あ」と言いながら通過していく中、ペダルから足を外してストップ。悪あがきももはやここまで・・・。

リタイアが確定したので、さっき通過した関門まで自転車を押して歩く。悔しさで頭がおかしくなりそうになりながら、平静を装って補給ポイントに到着。自分と同じように、リアエンドが折れてしまったTIME乗りのおじさんと会話しながら時間を潰す。彼は平坦区間のトンネルの集団落車に巻き込まれてしまい、登りを終えたところでディレイラーが脱落してしまったとのこと。「TIMEはリプレーサブルエンドだから、フレームはそのまま使えるはず」なんて話をしながら通過していく選手達を見ていると、130kmに参戦しているじゃむさんを発見。声をかけると「なんで~!?」と驚かれてしまう。

救急セットを持ったボランティアの方に怪我の応急処置をしていただき、回収ポイントでコーヒーやお菓子をいただいてバスを待つ。200kmは、昨年度の優勝者の高岡さんが中盤から逃げていたようだ(結局最後の数キロで追いつかれて2位とのこと)。涙のやんばるバスツアーで名護に帰着し、チームメイト達と合流。130/85km参加の2人とも、無事に完走できたたようだ。

手荷物を受け取って着替え、しばらくしてから到着した自転車をバッグに詰めてクロネコヤマトで発送。ふれあいパーティーでビール&食い物をいただいて、チームとして解散してツール・ド・おきなわの日程を終了した。

Pb083438
(ちょっとした受難となってしまったTIME号。通勤自転車兼レース用自転車)

**

完走こそできなかったけれど、落車するまでは満足できる走りができたし、落車自体も含めてよい経験になった。130kmの先頭の走りを見た限りだと、トップに絡むような走りをするには大幅なグレードアップが必要だなぁ、ということを強く実感した。

反省点としては、

- 一番慣れている機材を使うべきだった
- 雨の下りで焦って前に追いつこうとしてしまった
- もう少し前からスタートしていれば無理せずに済んだかも
- 登りのことを考えて前輪の空気圧を高めにしたのが失敗

・・・ってなところかな。
所詮はレース経験の浅さから来るミスと言えるんだろうけど、初のロードレース参加でレース展開についていこうと欲張ってしまったあたりがいかにも自分らしい・・・。

ツール・ド・おきなわは参加者のレベルも高く、運営も大変しっかりしている印象を受けた(複数地点でスタートするロードレースの運営が容易ではないはず)。沖縄北部の田舎道を思いっきり走れるのは最高に素敵だし、なんといっても沖縄くんだりまで自転車に乗るために集まった自転車馬鹿ばかりだから、その熱と地元の人たちのホスピタリティーとがうまく溶け合っているのだろう。

運営は900人ものボランティアによってまかなわれているらしいのだけど、レンタカーを借りたときに配送してくれたおじさんも国際レースの先導車を運転していたと言うし、地元の人たちの理解を得ることに成功していることを強く感じた。

**

自転車・装備へのダメージは以下の通り。

- リアエンドが折れた(交換)
- フロントホイールが振れた(振れ取り)
- フロントブレーキが変形した(交換?)
- リアディレイラーがキズキズ(一応そのまま使えそう)
- STIがキズキズ(そのまま使えるけどプレートは交換かな)
- バーテープがボロボロ(交換)
- 落車時にシューズのラチェット留めをロスト(どうしよう・・・)
- チームウェアーのビブショーツに大穴が空いた(どうしよう・・・)

あとは、回収地点か回収バスの中にサングラス(Oakley Radar)を忘れてしまったのが地味に痛い。大会本部に連絡先を教えておいたので、紛失物として発見されることを祈るのみだけど・・・、まぁ見つからないだろうなぁ。

レースでは何が起こるか分からないから、自転車&装備は「機材」と割り切って使うのが精神的によろしげ。
このあたりはウェアーが痛みやすい岩登りや沢登りで気に入ったウェアーを着ないのと同じ理屈だけど、せっかくのレースなのだからこそ、ケチらずに一番気に入っている機材を使うのが一番カッコヨイのかなぁと思う。

**

機材選択やトレーニング&レース参加も含め、来年への課題が見えてきた。
ちょうど自転車にも乗れなくなってることだし、年末まではゆっくり休んで英気を養おうと思う。そして、もし来年もまだロードに乗り続けるモチベーションが沸いてくるようであれば、ロードレーサーにとって最高の舞台が用意されたツール・ド・おきなわにまた戻ってくることにしよう。

| | Comments (4) | TrackBack (0)